企業は、提供する製品やサービスに対する思いを消費者に直接伝えることで、共感を得てファンを増やすことができます。
その点、販促イベントは直接ファンに情報を伝え、体感してもらえるので効果的です。
効果的なイベントを行うには様々な役割や種類を理解して計画することが大切です。本記事で、販促イベントの事例やコツを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
Contents
- 1 顧客へ自社の魅力や熱量を共有するために販促イベントは重要
- 2 事例から学ぶ販促イベントのアイデア10選
- 2.1 事例1. バイヤーの来場を狙ったファッション展示会
- 2.2 事例2. デジタル資産(NFT)を活用した展示イベント
- 2.3 事例3. ホテル事業者と自治体が共催した地元住民のためのイベント
- 2.4 事例4. 地方自治体とホテルの共同企画で観光地の魅力を伝えたイベント
- 2.5 事例5. 報道関係者に向けておこなった自社物流センターの内覧会
- 2.6 事例6. 公益財団法人とショッピングモールが共催したSDGs関連イベント
- 2.7 事例7. 女性活躍推進法への貢献を目指すオンラインイベント
- 2.8 事例8. バーチャル空間(VR)でおこなわれた発売記念イベント
- 2.9 事例9. 新語・流行語の1つをテーマに企画した展示会
- 2.10 事例10. スポーツ製品ブランドが愛好家向けに開催したイベント
- 3 販促イベントで顧客のファン化につなげる4つのポイント
- 4 生活者を惹きつける販促イベントで自社のファンを増やそう
顧客へ自社の魅力や熱量を共有するために販促イベントは重要

販促イベントは、消費者に与えたい目的に応じて下記のような種類があります。
No. | 種類 | 概要 |
---|---|---|
1 | 商品プロモーション | 商品の知名度を高めるためのイベント |
2 | 商品販売イベント | 商品を展示しながら販売まで行う |
3 | 法人向け商談会・展示会 | 企業等が販売先(バイヤー)に向けて行う商談会・展示会 |
4 | プライベートショー | 企業が独自に主催する展示会 |
5 | オンライン展示会 | オンライン上で開催される展示会 |
近年、企業の商品は機能や価値を伝えるだけでは、競合との差別化が難しいといわれます。
加えて、日本国内では人口が減少傾向にあるため、新規顧客の獲得が難しく既存顧客にアピールし、リピーターを増やす必要があります。
販促イベントは実際にブランドの世界観や商品のメリットを体験させることができるのでファンを増やすことに寄与します。
なぜなら消費者の五感を刺激し、より好きになってもらうことが可能だからです。なお、セールスプロモーションにおけるイベント事例の詳細は以下の記事をご覧ください。
事例から学ぶ販促イベントのアイデア10選

ここでは、具体的に販促イベントのアイデアの事例を10個紹介します。まず以下の表をご確認ください。
- バイヤーの来場を狙ったファッション展示会
- デジタル資産(NFT)を活用した展示イベント
- ホテル事業者と自治体が共催した地元住民のためのイベント
- 地方自治体とホテルの共同企画で観光地の魅力を伝えたイベント
- 報道関係者に向けておこなった自社物流センターの内覧会
- 公益財団法人とショッピングモールが共催したSDGs関連イベント
- 女性活躍推進法への貢献を目指すオンラインイベント
- バーチャル空間(VR)でおこなわれた発売記念イベント
- 新語・流行語の1つをテーマに企画した展示会
- スポーツ製品ブランドが愛好家向けに開催したイベント
それぞれ詳しく解説します。
事例1. バイヤーの来場を狙ったファッション展示会

FaW TOKYO (ファッション ワールド 東京)は世界中のファッションDXを扱う企業が出展する日本最大のファッション展を開催しました。
「VR上で指輪の試着ができるサービス」や「ARメイク」など、来場者が未来のファッションツールに直接触れ、体験できる画期的なイベントです。
オンライン上ではできない、リアルな場で顧客体験を提供しバイヤーと企業が直接触れ合える場所を提供しました。
企業はバイヤーに新製品を生で「見て」「触れて」もらうことで、製品の特徴を直接伝える機会を得て、顧客エンゲージメントを獲得できます。
なお、イベントの詳細レポートについては以下の記事参考にしてください。
事例2. デジタル資産(NFT)を活用した展示イベント
DUB Gallery AKIHABARAは秋葉原で初のデジタル資産(NFT)を活用した展示イベントを行いました。
アニメ・マンガ・ゲーム・コスプレ・カワイイなど、日本の文化を世界に発信する契機とし話題づくりに成功した事例です。
『MOEVERSE-MAID ART EXHIBITION 2022-』メイドカフェ×アーティスト展を実施し、NFTアート展を主催。多くのメディアにも取り上げられ拡散しました。
ジャパンカルチャーに興味があるターゲット層の参加を促し、信頼を獲得することに成功した事例です。
事例3. ホテル事業者と自治体が共催した地元住民のためのイベント

株式会社サン・クレアが経営する目黒川のほとりにある水際のロッジは、廃校を活用した縁日イベント「森とめぐろ」を2022年4月17日に開催しました。
人口270人の限界集落愛媛県松野町目黒で、地元住民の協力を得ながら子どもから大人が交流することで、イベントを大いに盛り上げました。
コロナ禍以後の2年ぶりのイベント開催に住民は心を弾ませました。企業のブランディングに寄与し、効果的なPRにもつなげた好例といえます。
事例4. 地方自治体とホテルの共同企画で観光地の魅力を伝えたイベント
渋谷エクセルホテル東急は、東京にいながらにして奄美大島の食と文化を体感できるイベント「まるごと奄美 in 東京」を開催しました。
イベントでは、大島紬の制作や着付け、小物ワークショップ、ファッションショーのモデル体験、島唄ライブなど独自文化の提供を行いました。
食を通じて奄美の魅力を伝える料理や奄美の食材を使ったパティシエ特製スイーツ、夜の部には「黒糖焼酎Bar」を設置し、来場者を喜ばせました。
まるごと奄美を体験できるイベントとして、消費者に話題を提供することができた例です。
事例5. 報道関係者に向けておこなった自社物流センターの内覧会

続いて、株式会社 MonotaRO(モノタロウ) が経営する最⼤物流拠点「猪名川ディストリビューションセンター」でメディア向け内覧会を開催しました。
多くの報道関係者が参加し、実際に猪名川DCの内部で自動搬送ロボット、配送区分選定の自動化などの実演を直接見学しました。
難しい技術や企業の専門的な取り組みを直に伝えられるイベントの特性を活かした、事例といえます。
事例6. 公益財団法人とショッピングモールが共催したSDGs関連イベント

三井不動産商業マネジメント株式会社が運営する三井ショッピングパークアーバンドック ららぽーと豊洲のSDGsの取り組み事例を紹介します。
海に隣接する施設立地を活かし「SeaSide GOMI ZERO Project(シーサイド ゴミ ゼロ プロジェクト)」を実施しました。
本プロジェクトは「日本一楽しいゴミ拾い」を目指した海を綺麗にするゴミ拾いを、ヒーローショーやライブパフォーマンスなどを行ったイベントです。
加えて、アーバンドック ららぽーと豊洲ではSDGsに楽しく参加・学ぶことができるイベントも実施しました。
海洋ごみ問題解決へ向けたアクションや啓発を行い環境への意識の高さを直接アピールすることに成功した事例です。
事例7. 女性活躍推進法への貢献を目指すオンラインイベント

「宇宙を身近な存在に」をテーマに発足した女性コミュニティである、コスモ女子が実施したイベント紹介です。
コスモ女子は宇宙に興味のある女性のキャリア形成や応援、多くの女性が宇宙業界で活躍できる場を増やすことを目指している女性コミュニティです。
そんなコスモ女子が「月」をテーマとして、月の起源や今後の宇宙開発など、メンバーに語ってもらうオンラインイベントを開催しました。
月の起源の歴史について話しあったり、宇宙に関するさまざまな疑問をみんなで議論したり、楽しみながら理解を深めていくイベントとになりました。
イベントを通して、活動の理念への賛同者を増やしファン化することに成功しています。
事例8. バーチャル空間(VR)でおこなわれた発売記念イベント
オンラインRPG『PSO2 ニュージェネシス』は、2022年6月9日(木)に1周年を迎えたのを記念して1周年イベントを開催しました。
シーズナルポイントと言われるポイントを集めて交換ショップでアイテムをゲットするのが基本的な遊び方になります。
加えて、1周年らしい派手な演出やボスキャラが1周年を祝う賑やかな攻撃を仕掛けるなどユニークさが特徴的です。
1周年ということで特別なアイテム“『NGS』1周年記念交換券”や期間限定タスクなども登場し見どころの多いイベントとなりました。
ファンが直接遊びながらゲームの世界観へと誘い、ゲームの理解と魅力を再発見する場を提供しました。
事例9. 新語・流行語の1つをテーマに企画した展示会
『ミチカケ・ウェルネスアクションvol.1フェムテック展』は女性の健康のためのアクション国際デーにあわせて行われたイベントです。
2021年「新語・流行語大賞ノミネートの「フェムテック」というワードは、女性の健康課題をテクノロジーで解決する商品・サービスのことを指します。
ただ「聞いたことはあるけれどもよく知らない」「自分とは遠い存在」など、自分にあまり関係ないと感じている人がいるのが課題でした。
興味があるけど情報が足りない人への理解度を促進し、認知度アップに成功した事例です。
事例10. スポーツ製品ブランドが愛好家向けに開催したイベント
日本シグマックス株式会社はインソールの機能を体感する参加型スポーツイベント『足裏TRYOUT supported by ZAMST』を開催しました。
『足裏十種競技』『足裏スポーツパーク』のアトラクションを来場者に提供し、足裏の重要性と機能性インソールの着用効果を与えた成功例です。
トップアスリートは知っているが、一般のスポーツ好きにはあまり知られていない製品のメリットを直接消費者に体験させることができました。
販促イベントで顧客のファン化につなげる4つのポイント

- 目的・ターゲットを明確にして企画を考える
- 定量調査・定性調査で顧客のニーズを把握する
- ターゲットに届く告知方法を検討する
- イベント終了後に効果測定し分析する
効果的なイベント設計は上の手順にしたがって行います。以下で説明していきます。
先に目的とターゲットを明確にして企画を考えます。顧客のイメージを最初に掴めていないと、求めていることがわからず、効果が得られません。
続いて、定量・定性調査で、細かく分析します。ターゲットの頭と心に届く告知方法を考え、イベント後も効果測定ます。
それらを行うことでイベント後の課題が見つかり、次のイベント企画への改善につなげることができます。
トライ&エラーを繰り返すことで、より効果的なイベント設計が可能になり、ファンとの関係も深めていけます。
結果、LTV(ライフタイムバリュー)の向上に活かすことができます。イベントを企画する際は、ぜひご検討ください。
さらに詳しく知りたい人は以下の販促イベントに関する記事もご覧ください。
生活者を惹きつける販促イベントで自社のファンを増やそう
販促イベントは、生活者に直接ブランドの世界観を体験させることができるので、ファンを増やすことにつながります。
反面、実施する際は費用がかかり多くの協力者も必要なため、事前に効果を把握し正しく設計することが大切です。
消費者ニーズをきちんと理解し、課題を設定することで、効果的なイベントが設計し、その後の反省点も見つけやすくなります。
課題発見と改善を何度も繰り返すことでより消費者に刺さるイベントが開催でき、自社のファンを多く増やすことができます。
イベントを自社で企画する際は、ぜひ本記事で紹介した内容をお試しください。