「VMDって何だっけ?」
「VMDってどうやって収益アップに活かすのかな?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)はMD(マーチャンダイジング)の一種。
企業や店舗などの独自性を活かし、視覚に訴えて顧客の購買意欲をかき立てる手法です。本記事では下記についてまとめました。
- VMDとは
- VMDが小売業界で注目される4つの理由
- VMDを小売店で活用する4つのコツ
VMDを活用すればファンづくりやブランディングにつながり、結果的に収益アップの期待ができます。
小売店向けに解説するので、ぜひ最後までご一読ください。
Contents
VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)とは

企業や店舗などの独自性を活かして、視覚に訴えるマーケティング手法。MD(Merchandising:マーチャンダイジング)の一種で、英語でVisual Merchandisingと言う。
※MDとは商品を顧客に届けるための施策。
VMDは陳列方法や演出方法を工夫し、商品やサービスがより魅力的に見えるよう工夫します。
視覚に訴えて「見やすい」「買いやすい」売り場をつくり、顧客の購買意欲をかき立てることによる売上UPが目的です。
おもに、
- ブランディング
- 人手に頼らない売り場づくり
に用いられます。
下記の記事で、MDの基本や種類などについてまとめました。MDついてもっと知りたいのであれば、下記の記事をご覧ください。
VMDとDP(ディスプレイ)の違い

商品が魅力的に見えるような装飾や陳列などをすること。陳列・装飾そのものを指している。
VMDとDPは、それぞれ意味が違います。先ほどお伝えしたように、VMDは視覚的なマーケティング活動全般を指します。
具体的には、
- どうやって足を止めてもらうか
- どうやって店内を見てもらうか
- どうやって購入の後押しをするか
という点を考えながら、顧客の購買意欲をかき立てるのです。
VMDに対しDPは、装飾や陳列そのものを指します。つまり、DPはVMDの取り組みを達成するための手段と言えます。
VMDとDPは、陳列に関わる用語なので混合されやすいかもしれません。しっかりと違いを把握できれば売り場づくりに役立つため、覚えておくのがおすすめです。
VMDで重要な3つの基本要素
要素 | 概要 |
---|---|
VP (ビジュアル・プレゼンテーション) | コンセプトやブランドイメージを表現して、入店してもらうための仕組みをつくること |
PP (ポイント・プレゼンテーション) | おすすめ商品・人気商品などをわかりやすくして動線をつくること |
IP (アイテム・プレゼンテーション) | 商品の陳列方法を工夫して、商品を手に取りやすいように陳列すること |
VMDに取り組むうえで重要なポイントは、上記3つの基本を押さえることです。それぞれどのような要素なのか、順番に紹介します。
1. VP(ビジュアル・プレゼンテーション)

店舗のコンセプトや商品ブランドイメージを表現して、入店してもらう仕組みを作ること。
VPはおもに店舗の入り口の売場づくりに使われるため、「店舗の顔を作る方法」と言えます。
顧客に店舗やブランドの世界観を伝える役割があり、顧客にとっての第一印象を決める重要な要素です。
特に大型ショッピングモール内の店舗なら、共通通路に面している「店舗入り口の魅せ方」は重要です。
たとえばアパレルショップでは、季節に応じたコーディネートをマネキンに着せることで通行客の興味を引いています。
来店客に足を止めてもらったり再来店してもらったりするため、他の店舗との差別化を図りましょう。
2. PP(ポイント・プレゼンテーション)

おすすめ商品や人気商品など、スムーズに見つけやすくする演出方法のこと。
PPでは、陳列棚や壁、天井などを利用して商品をアピールします。おもな目的は、
- 店内を回遊してもらう
- 興味のある商品をすぐに見つけられるようにする
といった点です。店内を回遊してもらうために、売りたい商品のコーナーを組んで顧客にアピールします。
また大型の店舗であれば、商品をすぐに見つけやすくするために天井や壁に看板を吊り下げるのも有効です。
3. IP(アイテム・プレゼンテーション)

商品をわかりやすく、かつ選びやすく陳列すること。
IPは商品をわかりやすく、かつ顧客が選びやすくなる陳列をすること。
顧客がお目当ての商品を探すとき、規則性がなくバラバラに陳列されていると一苦労するかもしれません。
陳列に規則性を持たせるなど工夫すると、顧客にとって商品を探しやすい店舗になります。店舗でよく見かける陳列方法は、
- カラーバリエーション
- サイズ
- 同じシーンで利用するもの
などをまとめる手法です。
たとえば、カラーバリエーションが多い商品の陳列なら、まるで「どの色が好みですか?」と来店客に語りかけるような見やすい並べ方を意識しましょう。
また、必要であればPOPを作成して情報を追加すると、よりわかりやすい売り場になります。顧客にとって、ストレスのない売り場づくりが重要です。
VMDがアパレル業界だけでなく小売業界でも注目される4つの理由
VMDはアパレル業界でよく使われますが、小売業界でも注目されています。注目されるようになった理由は、おもに4つあります。
- 売上アップが期待できるから
- ブランディングしやすくなるから
- 顧客満足度の向上につながりやすくなるから
- 業務効率化が期待できるから
順番に紹介します。
1. 売上げアップが期待できるから

VMDを効果的に活用すると、売上アップの期待ができます。人は視覚から多くの情報を取り入れます。
そのため視覚的に「見やすい」「わかりやすい」と判断できれば、購買意欲がグンと上がりやすくなるのです。
たとえば、乱雑に陳列されているより丁寧に陳列されているほうが、商品を探しやすくなります。
さらに商品の魅力を伝えるPOPが添えられていれば、より興味がわき手に取りたくなるかもしれません。
このように、視覚に訴えるだけで売上アップにつながるので、小売業界でも注目されています。
2. ブランディングしやすくなるから

ブランディングしやすくなる点も、小売業界で注目されるようになった理由のひとつです。
VMDに取り組む場合は、店舗のコンセプトを明確にしなくてはいけません。
コンセプトを明確するためには、自社ブランドの強みや顧客から評価されているポイントを言語化する必要があります。
自社ブランドのポイントを言語化できれば、
- ブランドとしてアピールすべきポイントが明確になる
- わかりやすい言葉で従業員に共有でき、コンセプトを統一できる
- 顧客にも伝わりやすい言葉で訴求できる
などのメリットがあります。
このように、自社ブランドについてあらためて見直すきっかけとなり、よりブランディングしやすくなるのです。
3. 顧客満足度の向上につながりやすくなるから

続いて、顧客満足度の向上につながりやすくなる点も重要です。VMDに取り組むと、顧客にとって必要な商品がどこにあるかわかりやすくなります。
たとえば、同じカテゴリーの商品を同じ場所に陳列する手法を取り入れた場合。顧客がわりと簡単に目当ての商品を見つけられます。
一方で陳列がわかりづらく、どこになにがあるのかわからないのでは商品を探せません。もちろん、顧客にとっては煩わしい限りです。
同じ商品なのにメーカーごとにまったく別の場所に陳列すると、顧客はあちこちに行く必要があります。
顧客に煩わしさを感じさせないため、ほしい人にほしい商品を届けやすい陳列を意識することで顧客満足度アップにつながります。
4. 業務効率化が期待できるから

VMDを実施すると顧客だけではなく、店舗スタッフにも業務効率化の実現が期待できます。
なぜなら顧客にとってわかりやすい売り場は、店舗スタッフにとってもわかりやすく管理しやすいからです。
顧客が商品を探しやすい陳列棚は、店舗スタッフが管理する点でも覚えやすく有効です。このようにスタッフの店舗理解が深まれば、教育コストを削減できるかもしれません。
さらに、戦略変更したい場合でも説明コストがかからないので、すぐに取りかかれる利点があります。
収益アップのために小売店でVMDを活用する4つのコツ
小売店でVMDを活用するなら、収益アップを目指したいところ。そこで、VMDを活用するコツを4つお伝えします。
- ターゲットを明確にする
- あくまで顧客の視点で考える
- 陳列(ディスプレイ)を工夫する
- POPを活用して店舗全体の雰囲気をアップさせる
それでは詳しく紹介します。
1. ターゲットを明確にする

小売店としてのコンセプトやターゲットを明確にしましょう。マーケティングの最重要な要素として、ターゲットの明確化は重要です。
ターゲットが定まっていないと、顧客によっては「わかりにくい」店舗になってしまいます。
たとえば子どもがターゲットの店舗なら、できるだけ子どもの身長に合わせた陳列が有効です。
大人の目線で探せる場所に商品を置いても、子ども自身で探せませんし手も届きません。もし、子どもに無理をさせて万が一ケガをしてしまったら一大事です。
したがってまずはターゲットを決めて、そこからVMDに取り組むことをおすすめします。
2. あくまで顧客の視点で考える

VMDの施策を考えるときは店舗の都合ではなく、あくまで顧客の視点で考えましょう。店舗における管理も重要ですが、商品は顧客の手に渡ってこそ意味があります。
売れ行きがそれほどよくない商品は、陳列棚の上部などに陳列を考えることがあると思います。しかしその商品を欲しがるターゲットが子どもだったら、顧客自身では手が届きません。
したがって考えるべきは、
- その商品を欲しがる人はどんな人物なのか
- その人物にとってどのような売り場が親切なのか
ということです。常に「自分が顧客なら」という視点を忘れないようにしましょう。
3. 陳列(ディスプレイ)を工夫する

どの商品をどこに置くか決まったら、陳列をどのように工夫するか考えましょう。商品の陳列方法は多種多様で、
- どう見せたいか
- どう売りたいか
で、適した方法は変わります。
たとえば、特に売りたいおすすめ商品は「ゴールデンライン」と呼ばれる人の目線の高さに配置するのがセオリーです。
どんな商品をどう売りたいかを考えて、適切な陳列を心がけましょう。また下記の記事は、小売店の陳列方法をまとめています。
どのような陳列方法があってどのような商品に向いているか知りたい場合は、ぜひご覧ください。
4. POPを活用して店舗全体の雰囲気をアップさせる

商品の陳列まで決まれば、POPを活用して店舗の雰囲気をアップしましょう。
POPを使用すると、必要な情報をさらに加えられるうえ、全体の雰囲気に活気が見られるようになります。
たとえば、
- 「新商品」とPOPがあれば、手に取ってもらいやすくなる
- 「セール中」とあれば、お得感を演出できる
など、活き活きした売り場となります。効果的なPOPを制作して、楽しい店舗づくりを目指しましょう。
また、下記の記事では、POP制作についておすすめのツールを紹介しています。顧客に喜ばれ売上アップにつながるPOP制作をしたいのであれば、ぜひご覧ください。
VMDで映える売り場づくりをしたいなら「アイポプ」がおすすめ

VMDの取り組みでPOP制作をするなら、自動POP作成サービス「アイポプ」がおすすめです。
アイポプをおすすめする理由は4つあります。
- SNSからポジティブな投稿を収集・分析するため、新たなニーズに気がつきやすいから
- AIの活用により、今まで思いつかなかったPOPづくりのヒントが見つかるから
- 映えるPOP制作や、売れ筋・ロングテール商品のリブランドにも効果的だから
- 低コスト・短時間で制作できるため、数が少ない販促物づくりに向いているから
アイポプは、AIが自動で顧客の生の声を収集・分析。さらにデザインまで自動作成するツールです。
そのため、今まで気がつかなかった新たな視点で、顧客の視覚に訴えかけるPOPを作成が期待できます。
印刷まで一貫して行えるため、低コストでファンづくりやブランディングに適したPOP制作が叶います。
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小売店でVMDを活用して業績を伸ばそう!

- VMDとは、視覚に訴える「見やすい」「わかりやすい」売り場を作る手法のこと
- VMDでは、VP・PP・IPの3つの基本要素がある
- 小売店では「売上アップ」や「ブランディング」などの理由から取り組まれている
- VMDを活用するためには、「ターゲットの明確化」や「顧客視点での施策」が重要
VMDは視覚に訴えるマーケティング手法で、顧客に商品を届けることが最大の目的です。
人は視覚からの情報を多く取り入れるため、VMDを重視すると顧客にとってわかりやすく親切な売り場を作れます。
「自分が顧客ならどう感じるか」という視点を持つだけでも業績アップにつながるので、身近な取り組みから始めてみてください。
VMDの重要な活動として映えるPOP制作を考えているなら、自動POP作成サービス「アイポプ」がおすすめです。
今まで見えてこなかったニーズに気づきやすいため、顧客の視覚に訴えかけられる映える売場づくりに役立ちます。
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